Don't Stop Going!

好きなものに突き進む。

「STARTINGPOINT」

※この記事は、STARTINGPOINTのネタバレを含みます。





1月7日に上演された朗読劇「STARTINGPOINT」
脚本は岩谷翔吾、出演は同じく岩谷翔吾と藤原樹・浦川翔平・長谷川慎の4人。


ここから長いので先に言います。

絶対に後悔させないからアーカイブを買って見て欲しい。
https://bookact.live/programs/28


サポメン、ランペ、知らない歴史があります。


そして私の感想はあんまり参考にならないくら拙いです。
感情がぐちゃぐちゃすぎて纏まらず・・・とにかくこんな風に思う作品なんだ程度に思ってください。




目次

「STARTINGPOINT」のあらすじ

舞台は樹の家から始まる。
11月23日21:00。樹の家にサポメンの4人が順々に集まり出し、
酒を用意して乾杯。サポメンの思い出を語り出すところからスタートする。
サポメン結成のきっかけ、始まりの場所、BIG STEP。
そこからサポメンの思い出を振り返りながら、今度は個人それぞれの過去の話へ。
樹と翔平の幼馴染の過去、慎のマミーポコパンツ事件とNY行きを止めた話。
裕太くんが正式メンバーになってジェネがメジャーデビュー。
そしてPBAで大樹だけがEXILEになった時。
RAMPAGEの結成当初、浮かれて尖って荒れていた時代、寮生活。
活動休止期間の挫折、翔平の葛藤、2回目の武者修行の前に大怪我をして入院した樹の悔しさと、応援してくれた樹の母親からの手紙。

時系列がどんどん進み、最後に、一人一人からサポメンに向けた手紙を読み始める。
樹の手紙、翔平の手紙、慎の手紙、そして翔吾の手紙。
各々がメンバーへの思いを語る中で、翔吾だけはある人への思いを語り始める。
オーディションで自分を発掘し、怒られたり褒められたりしながらもずっと傍にいてくれたスタッフさん。その方が突然亡くなり、その方への後悔と熱い思いを吐露。
自身が身をもって感じた喪失感とこれから、を語ります。
それぞれのメンバーもこれからを語り、暗転後Seasonsのサビを全員で踊る。
四人が真ん中で背中合わせで円になり、その中心に翔吾が立つ。


「さあ、ここからだ」

最後に、翔吾のこの台詞で締めくくられる。




というあらすじですが、大事なのはその中身。
語られる一つ一つのエピソードが、知らないことだらけ。
本人の口から語られる本気の真実が、心にきます。

率直な感想

本当に文章が拙くて申し訳ない。

  • 彼らについて知らなかったことが多すぎた

本当にこれに尽きる。もちろん岩谷さんを応援する中で過去の情報も調べたりはしたので、
サポメンという存在や招集の背景、慎のNY行き、樹としょへの幼馴染のエピソードのいくつかは知っている部分もありました。
ただ、自分が知っていたのはその事実だけで、当時の此処のメンバーの感情が知れたのは本当に大きい。
あと、樹としょへのやり取りも普段あんまり見れない温度感で良かった。早口めのロートーンで方言混じりに喋る2人、樹のウザがり方までリアルで面白かったし、慎のマイペースさもリアルだった。
最初に樹の家に来るしょへ、ふざけながらマースを探したり、樹にちょっかいかけたり。それなのに樹には「無理しなくていいよ」とか言われたり。岩谷さんが最後に来て、飲み会の場にちゃんとつまみを差し入れてくる辺りもわかるなあ、と。

慎のNY行きは、エピソードとしては知っていたけど、当時の慎の悩みの深さ、他のサポメン達の感情が全て見えて本当に苦しかった。でも、しょへは「あの時慎を止めたことが正解だったかわからない」と言ったのに対して慎が「残ったことを後悔していない」と言い切ったことで救われた気がます。誰と何がしたいか、でサポメンを選んだ慎が後悔していないと言い切った表情の清々しさ。雲一つない青空のようでした。

樹の怪我のことは、ふわっとしか知らなかったことだったので、タイミングと入院までする怪我、しかも怪我のきっかけが練習…という内容と当時の感情を聞いて、ずっと眉間に皴が寄ってました。苦しい休止期間を抜けたせっかくのタイミングで自分が不在。
本当に悔しかったんだろうなと思います。そこは樹の独白だったので語られなかったんですが、その時他のメンバーはどんな声をかけたんだろう。

そしてしょへ。しょへのことは昔からエンタメの中心にいて、何でもできて順風満帆の人、というイメ―ジだった。ダンスめちゃくちゃ上手くて、キッズのころから大会で負けなしで。
そんな中で本人から改めて語られる休止期間の挫折、 PBAでの落選の悔しさが心にくる。
今はあんなにふざけてメンバーを笑わせるしょへが、ダンスでは誰にも負けないって相手に対して上から目線全開な時代があったとか。それで回りに当たったこともあったとか。あんなに大好きな父親にもその矛先を向けたんだとか。
いやでも、そんなしょへに期待をして家族全員+祖父まで長崎から出て来たって聞いて、私は逆にプレッシャーで死にそうになるわ、と思った。一族の期待を背負ってたら、挫折のダメージも大きいだろうなあ。夢は父親のためでもあるしょへだと尚更。
そんなしょへが、樹にも慎にも岩谷さんにも一人ずつに手紙のコメントを書いて、全員にリスペクトの気持ちもあって、言葉が思いつかないけど良かったな、って思う。


私は今回の朗読劇で、岩谷翔吾さんのことを1番知らなかったなと痛感しました。
それこそ後悔するレベルで。
岩谷さんのこれまでの歴史だけを振り返ると、EXILEにあこがれてPGに入り、特待生になって、MVの主演級を張って。
そのままジェネのサポートメンバーに選ばれ、親を説得するために猛勉強をして高校は特待、上京してダンスを続けてPBAを経てRAMPAGEのメンバー入り。
真面目、努力の人。自他ともに認めるこの性格とだけ聞くと、真面目に頑張ってきて、それが結果につながって順風満帆だったんだろうな、と思っていました。
もちろんオーディションで落ちたり、サポメンでのデビューが敵わなかったりという挫折もあったかと思いますが、それも努力で乗り越えてきたくらいに思ってたんです。

私は岩谷さんのことを、真面目に努力を重ねたことで自分に自信を持っている人だ、と思っていました。
それは事実なんですけど、今回の朗読劇で衝撃だったのが岩谷さんのこの言葉。
「自分が嫌いだった」
え、、、本当に?と耳を疑ったんですよ。そりゃ自信家ではないけど、岩谷さんは弱みも見せず、自分が決めたことは曲げない真面目な人で、勝手に自己肯定感高そう、と思ってました。
真面目で固い、不器用でセンスもない。
ダンスは翔平に絶対に勝てないし、樹や慎はイケメンで、じゃあ自分は何が出来るのかわからない。藻掻く中でHIPHOP史を調べてまとめたりしていた、と聞いて衝撃の連続。
劣等感の塊やったんや、この人。
HIPHOPオタクなのも、調べたりするのが大好きだったからじゃなくて、何か自分に出来ることを模索した結果始めたことなのかと。

そう言えば岩谷さんは、EXILEにあこがれて(キッズダンサーに衝撃を受けて)ダンサーを志し、PG時代は自分があこがれた人達の真似をしていたと聞いた。裕太くんとか、MAKIDAIさんとか。
最初は憧れの真似で成長できるしキッズダンサーならそれで十分だろうけど、突然、じゃあ自分の個性は、とか何ができるのか、と突きつけられたら途方に暮れそう。
そこで隠れて鬼のようにレッスンに通ったり、努力でどうにかしてきた岩谷さん、すごいな。
そして最近は将棋という個性とか、文学的な部分を出せるようになってきて、やっと真面目な自分の性格も好きになれてきて、本当に良かったな。
あれ、私岩谷さんの親だったっけな。


ただ、今までこんな岩谷さんを知らなかったということは、本人も出そうとしていなかったんだと思います。弱みも劣等感も出さず、ただ陰で努力をしてそれを自信に変えてきて。
そんな中、今回の朗読劇で自分の弱さをさらけ出したのも、一つ大きなことだと思います。

そして何より、脚本家・岩谷翔吾
今回は実話だし役ではなく本人の話だったけど、脚本にちりばめられた言葉一つ一つが岩谷さんだなあ、と思える脚本でした。
言葉選びが真っ直ぐで綺麗。熱が伝わる。
後悔、ごめんなさい、生きよう、辛い、という真っ直ぐな感情の言葉もあれば、情景を綺麗に例えて言葉にしていたりもして。ほんとうに素敵な脚本を頑張って作ってくれてありがとうございます。



そしてあのスタッフさんについて
申し訳ないですがあえて調べたりもしていないのでお名前も存じ上げません。
ただ、REBBOTの名古屋公演のあの日、アンコールで何人かのメンバーが見せた涙、ブログの言葉で、誰か近しい人が亡くなったんだということは察していました。
その時の岩谷さんはメンバーの中ではいつも通りな顔をしていたので、もしかしてお世話になったのは泣いているメンバーが主だったのかな、なんて思っていたんです。
全く逆で、まだ受け入れられてなかっただけだったんですね。
きっと貴方は岩谷さんにとっての第二の父親的存在だったんだと思います。
時に叱り、褒め、成長を喜び、応援してくれて。岩谷さんが執筆をする、ということも応援してくれて、その結果こんな素敵な脚本が世に生まれました。
今まで岩谷翔吾さん、ランペのメンバーを支えてくださって、応援してくださってありがとうございました。
名前も顔も存じ上げませんが、とにかくありがとうございます、と伝えたいです。





私が思う「STARTINGPOINT」

このSTARTINGPOINTという朗読劇は、個人的には「岩谷翔吾さんからの手紙」だと感じました。
朗読劇の中にも岩谷さんの手紙はありますが、脚本含め朗読劇全体が手紙。
サポメンの歴史を振り返る話のようで、岩谷さん個人が伝えたかったことをまとめた手紙なんじゃないかと。
自分が大事に思っているメンバー、サポメンを知って欲しい。大事にしたい。
そして岩谷さんにとってのSTARTINGPOINTはオーディションで見つけてくれたそのスタッフさんで、その方が亡くなったことへの喪失感とご飯に行けなかった・もっと気持ちを伝えておきたかった後悔を昇華する目的もあったんじゃないかと想像しています。
そして、辛いことは消えないけど、これからこの大事なメンバーと一緒に、生きていきますという決意も感じます。
そんな思いの昇華と決意表明を含んだ熱い手紙を、こうして本人たちの言葉で聞くことができて本当に幸せでした。




正直な観劇前の気持ち

あえて最後に書きました。最初に、ネガティブなこと書きたくなかったんで。

「脚本:岩谷翔吾」と発表された時、正直、めちゃくちゃ不安でした。
理由としては2つ。

  • BOOKACTという枠組みへの期待値の低さ
  • 事前告知の内容

でした。
そもそも私は過去の経験からBOOKACTを全く信用していません。寧ろ嫌いです。
というより作家の某O氏の作る舞台・脚本が本当に苦手なんて可愛い言葉で言えないくらい嫌いで、そのせいでBOOKACTそのものを避けていました。
人の生死をエンタメにする仕方が軽くて、情けなくて、笑いも浅くて笑えない。
そんなデリケートなものを題材にするならもっと本気でやれ、出来ないなら扱うなと何度怒ったかわからず、結局怒るのに疲れて「もう何も見ない」と決めてO氏の関わるもの全てとBOOKACT全てを避けることにしていました。

BOOKACTで岩谷翔吾さんが脚本をします、と発表された時、嬉しさはありつつ正直複雑で。
正直脚本を書いてくれること、新しいことにチャレンジすることは嬉しい。めっちゃ嬉しい。でもなんでBOOKACTなんだ。
悲しくなって、それでも推しの脚本、大好きなサポメンが出るんだからと自分を奮い立たせて観劇を決めました。
ただ現地のチケットは全滅し、配信組にはなりましたが。

その後、どんどん始まる事前告知。少しずつ解禁されていく情報に、不安は減るどころか増してしまって。
テーマである青春と喪失。笑いあり涙あり。読み合わせで樹も泣いたよ、泣けるよ、泣かせるよというキーワードが一人歩きをしていて、嫌な予感しかしなくて。
また誰かの喪失をエンタメにするのか。はいはい、これで泣くんでしょお前ら、って感じで泣かせにくるのか、と過去の作品が脳裏を過ってしまいました。
それでも、僅かな希望は脚本が岩谷翔吾さんであること、で。
普段岩谷さんが読んでいる本、見ている映画に共感することは多いし、あの岩谷さんが人の喪失みたいなものと軽く捉えるわけがない。

そして観劇後、信じて良かったな、の一言に尽きました。


この朗読劇を見たことで岩谷さんをもっともっと応援したいという気持ちになりましたし、
執筆活動も続けて、岩谷さんの思いをもっともっと世に出して欲しいと思います。


はー、好きだ。サポメンも、岩谷翔吾さんも。


最後に

STARTINGPOINTのおかげで、私も新しい岩谷翔吾さんを知れたので、
岩谷翔吾さんファンとしてリスタートを切れるかもしれない。
岩谷翔吾さんに、冬休みと高級焼肉とお酒を差し入れたい。

けどそれはできないので皆さん、配信、買ってね。
https://bookact.live/programs/28